公教育について考えるブログ

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SIMPLEな教育

フィンランドの小学校で2年間教員をしていたアメリカ人男性の文章です。共感する部分が多かったので紹介します。


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フィンランドの教育は、「SIMPLE」という6文字のアルファベットで表すことができます。SIMPLEとは、賢明であり(Sensible)、独立していて(Independent)、質素であり(Modest)、たくさん遊び(Playful)、ストレスが少なく(Low-stress)、公平である(Equitable)ということです。

 


【賢明である(Sensible)】


例えば、生徒たちは通常45分間の授業のたびに15分間の休憩を取ります。頻繁に休憩することは、教室での集中力を高めるという研究結果が出ています。また、社会経済的な背景に関わらず、すべての生徒に毎日栄養のある食事が提供されます。90%の公立学校では、フィンランドのトゥルク大学で開発された「KiVa」という、いじめを防止するためのプログラムを導入しています。70%の公立学校では、「Finnish Schools on the Move」という子供の体力を向上させるためのプログラムを導入しています。

 


【独立している(Independent)】


フィンランドでは、小学生でも教師の指導を受けずに廊下を歩きまわったり、自分自身で食堂へ行ってご飯を食べたり、学校から帰ったりしていました。また、教室では、教師が自由に授業をしているように見えました。これは教師の創造性を高めるだけではなく、生徒の批判的思考を育むことにも繋がります。さらに、フィンランドの教師には自由裁量があり、専門家として国民に信頼されていることで世界的に有名です。 (教師の自律性は、仕事の満足感とつながり、教師の専門性を維持するもの、という研究結果が出ています。)

 


【質素である(Modest)】


私がフィンランドに移住したとき、世界最高の教育と言われるフィンランドの学校には、最新の教育方法や設備が整っていることを期待しました。しかし、いくつかの学校を訪れたとき、一般的にそれらが整っている訳ではないことに気づきました。 最終的には、最新の教育法や設備が整っている点は素晴らしいと結論づけましたが、それらは二番目です。 最も重要なことは、生徒の学びを促す学習環境の中で、優れた教師が教えるというバランスのとれたカリキュラムがあることです。

 


【たくさん遊ぶ(Playful)】


フィンランドでは、両親や教師の間で、幼い子供たちは遊ぶ時間がたくさん必要だという考えが広く受け入れられています。「The Power of Play」と題した米国の研究概要においても、「短期的に見ても長期的に見ても、遊びは認知的、社会的、感情的および身体的発達に良い影響を与える」とあります。実際に、ほとんどの子供は7歳になるまで小学校1年生の内容は学習せず、その前に遊びを通じた学びに多くの時間を費やします。また、小学校1年生なっても遊ぶ時間を多くとれるような仕組みになっています。小学校1、2年生は、授業の間の短い休憩を含んで、平均して毎日3時間の授業しかありません。午後になると、多くの子供は習い事に行きます。

 


【ストレスが少ない(Low-stress)】


学校の中は、静かでリラックスできる学習環境が整っています。ストレスは学ぶことと教えることに悪影響を与えるので、ストレスの少ない学校の雰囲気は、教師にとっても生徒にとっても不可欠です。

 


【公平である(Equitable)】


ごく少数の独立した学校を除いて、フィンランドのすべての学校は公に開かれています。つまり、公立学校において、質の高い教育と学習が広く行き渡っているということです。 言い換えれば、フィンランドの子供たちがどこで育っても、優れた教師、バランスの取れたカリキュラム、健康的な昼食、質の高い教材を自由に利用することができるということです。

 


Finland’s educational arrangement is simply good for kids.


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以上。
私がフィンランドに来て感じていたことが、この文章にまとめられているように思いました。フィンランドの教育は、「これが子供にとって良いと思うから」という考えも大切にしていますが、「大学での研究結果によるとこれが良いから」という科学的な根拠に基づいた取り組みも大切にしています。


教育の目的を明確にした上で、大学での新しい研究を取り入れ、優れた教師と学びを促す環境を整えているフィンランドの学校。ここに書かれていることは、私がインターンをしている学校にも当てはまります。それは、質の高い教育をどの公立学校でも受けることができる、ということを意味しているのではないでしょうか。


日本の教育現場には、大学での研究に基づいた新しい取り組みはほとんど導入されていません。教師自身が学んで独自に取り入れることはできますが、それだけでは公教育全体の質を高めることには繋がりません。学校の仕組みを変えることが必要なのだと思います。これからずっと先を生きる人たちが学ぶ場所である学校には、彼らが幸せに生きるために有効で質の高い新しい教育を取り入れる必要があると私は思っています。


最後に、紹介した文章が載っているページのURLを載せておきます。私が紹介した内容は一部を抜粋したものです。

finland.fi